”君の膵臓をたべたい”が教えてくれた、いまここにいるという奇跡


作者のデビュー作らしい。

人物が物語の中で皆んなちゃんと生きていて臨場感があった。
文体は読みやすいし、キャラクターもいきいきとしている。
早く結末を知りたいような、読んだら終わっちゃうからじわじわ進みたいような、どっちつかずの気持ちになれたのが、心地よかった。




いまここに生きているということの奇跡。
人と触れ合うことでしか人は成長できないという真実。
自分の人生をきちんと引き受けるという覚悟の大切さ。




久々にいい読書体験だったな。
真夜中に号泣〜(T ^ T)





そういえば思い出した。


中学1年生の時、半年間ほど無視されてたんだけど
その時助けてくれたのが本だった。


いじめられてた、というのではなく
ただただ誰も私に話しかけてこない
という静かな拒絶。



きつかったなー。
誰とも話せない、というのは。



そのキツさを忘れさせてくれたのは、
本を読んで感じた喜び、発見、楽しさだった。
登場人物たちに自分を重ねたり、会話をしたり、描かれていたエピソードを自分も体験した気持ちになったりして、黙っていたけど私の中は賑やかだった。



その楽しさを分かち合えなかったのは寂しかったけど
本の中に描かれた物語が私を救ってくれた。





そういう体験があったから、私は物語を作る人になったのだ。
最近、ちょっと忘れていたことを
この本が思い出させてくれた。



本当に、素晴らしい読書体験だった。











いま私は物語世界から元に戻り
【近藤智子の人生】の只中にいるわけだが、
自分の姿を俯瞰で見ているような気持ちになっている。




ドローンで空中に飛んで見下ろしているような感じ。
何を考えて、どう決断して(もしくは決断できなくて迷いながら)どこへ向かうか、音も立てずに見守っている感じ。



明日なにが起こるかわからない。
どんな人と出会うかわからない。
興味がどこへ向くのか知らない。

こうして文章を書いているその1秒後には、思いもよらない事態に陥るかもしれない。




次がある。
明日は来る。
あの人とはいつでも会える。


そんなこと
なんの保証もない。
これは脅しではなく、ただの事実。



それを頭に置きながら
さて、近藤智子、どう生きる?と見守っている感じだ。






いま生きているということが、本当はすごいことなんだよね。
それを【奇跡】なんて言うと大げさに感じるかもしれないけど、真実なんだよね。
当たり前にしちゃダメだね。













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